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2024年 欧州近自然川づくり調査報告

2025年5月 欧州近自然川づくり調査団

スイスの風景 イギリスのリーキーダム 説明風景

本調査報告は、令和6年8月14日から21日にかけて実施された欧州近自然川づくり調査団(団長:辻本哲郎 名古屋大学名誉教授)によるイギリス、スイスにおける調査結果について、令和7年5月19日に開催された報告会の再録という形でとりまとめたものである。

2024年 欧州近自然川づくり調査報告 印刷用PDF(15,439KB)

挨拶
水管理・国土保全局 局長 藤巻浩之
1. 近自然川づくりに関する欧州調査の概要
河川環境課 企画専門官 鶴田 舞
  • イギリスでは、柔軟に計画を見直す仕組み等を学んだ
  • スイスでは、河川環境の定量評価による順応的管理等を学んだ
  • 川は都市の顔であり風景の軸になっていることに改めて気づかされた
2. 欧州河川調査について
株式会社ニュージェック 顧問 竹島 睦
  • 故足立議員は2019、23、24年の調査に参加された
  • これらの調査を通じて、足立議員から思いを込めて様々な発信をしてきたが、欧州の事例も参考に、超過洪水対策、ネイチャーポジティブなどに取り組んでいって頂きたい
3. グリーンファイナンスを活用した官民連携の流域治水 ~英国・ワイヤ川の事例~
土木研究所 グループ長 中村 圭吾
  • グリーンインフラを用いた流域治水は小規模なものをたくさんやる
  • 官民ブレンドファイナンス、パートナーシップで治水・環境事業を実施
  • 多様な機能の効果把握を定量的なエビデンスに基づいて実施
4. 洪水制御と自然共生を両立する自律駆動型河道の創出
新潟大学 准教授 安田 浩保
  • イギリス、スイスの調査で、河川工学を進化させる必要性を感じた
  • 自己組織化現象と疑似層流現象の河川工学への応用を提案する
  • AIの活用などにより、学生にとっても魅力的な分野にしていくべき
5. スイス・リント川における流域治水 ~超過洪水時(L1.5)の緊急放流対策~
河川情報センター 理事長・東京大学 名誉教授 池内 幸司
  • スイスでは、土地利用に応じて治水安全度を設定するとともに、超過洪水時には氾濫流を制御して、被害を軽減するとともに壊滅的被害を回避する具体的な対策を講じる方針へ転換
  • リント川では、超過洪水時に堤内地側に洪水を安全に放流するための緊急放流施設を整備
  • 日本においても、超過洪水時の被害を軽減するとともに壊滅的な被害を回避する具体的なL1.5対策を講ずることが必要
6. どうしたら、ネイチャーポジティブな河川管理が可能になるか? ~イギリス・スイスの知恵を活かす~
北海道大学大学院 名誉教授 中村 太士
  • 倒木などのバイオロジカル・レガシーの保全が必要
  • 空間をつくることで気候変動適応と自然再生が両立できる
  • パートナーシップが重要で、人材確保や地域経済の活性化につながる
7. これからの川づくり「近自然工法」から「流域総合水管理」 〜2024欧州河川視察より~
名古屋大学 名誉教授 辻本 哲郎
  • 流域治水は、河口から上流域までの全体をとらえた水系で考える必要がある
  • スイスの3回の調査で、水系全体を概観し、課題を認識できた
  • 川に沿って治水の問題も環境の問題も考えることが重要

調査の概要

調査の目的

気候変動も踏まえ、主に海外における多様な主体と連携した「ネイチャーポジティブ」や「流域治水」等に関する取組(「流域マネジメント」)の調査・分析を行い、国内での実践や新たな政策立案に活用することを目的とした。

調査団の構成

(団長) 辻本哲郎 名古屋大学名誉教授
中村太士 北海道大学大学院名誉教授
池内幸司 河川情報センター理事長・東京大学名誉教授
安田浩保 新潟大学准教授
中村圭吾 土木研究所グループ長
(同行) 足立敏之 参議院議員
(同行) 竹島 睦 足立敏之議員秘書
(事務局) 小浪尊宏 国土交通省河川計画課国際室長
(事務局) 新屋孝文 国土交通省河川環境課河川環境調整官
(事務局) 阿河一穂 国土交通省河川環境課課長補佐
(事務局) 崎谷和貴 リバーフロント研究所主席研究員
(事務局) 西村雄喬 リバーフロント研究所主席研究員
(事務局) 大杉奉功 水源地環境センター次長
(事務局) 鶴田 舞 国土技術研究センター副総括
(事務局) 石川直樹 国土技術研究センター研究員

調査行程

現地でお世話になった方々

イギリス

ワイヤ川

テムズバリア

スイス

ジール川

リント川

イン川

現地でお世話になった方々に、調査団一同深く感謝の意を表します。


編集 公益財団法人リバーフロント研究所