- 「多自然川づくり」の定義
「多自然川づくり」とは、河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するために、河川管理を行うことをいう。
- 適用範囲
「多自然川づくり」はすべての川づくりの基本であり、すべての一級河川、二級河川及び準用河川における調査、計画、設計、施工、維持管理等の河川管理におけるすべての行為が対象となること。
- 実施の基本
- 川づくりにあたっては、単に自然のものや自然に近いものを多く寄せ集めるのではなく、可能な限り自然の特性やメカニズムを活用すること。
- 関係者間で4に示す留意すべき事項を確認すること。
- 川づくり全体の水準の向上のため、以下の方向性で取り組むこと。
- 河川全体の自然の営みを視野に入れた川づくりとすること。
- 生物の生息・生育・繁殖環境を保全・創出することはもちろんのこと、地域の暮らしや歴史・文化と結びついた川づくりとすること。
- 調査、計画、設計、施工、維持管理等の河川管理全般を視野に入れた川づくりとすること。
- 留意すべき事項
その川の川らしさを自然環境、景観、歴史・文化等の観点から把握し、その川らしさができる限り保全・創出されるよう努め、事前・事後調査及び順応的管理を十分に実施すること。
また、課題の残る川づくりを解消するために、配慮しなければならない共通の留意点を以下に示す。
- 平面計画については、その河川が本来有している多様性に富んだ自然環境を保全・創出することを基本として定め、過度の整正又はショートカットを避けること。
- 縦断計画については、その河川が本来有している多様性に富んだ自然環境を保全・創出することを基本として定め、掘削等による河床材料や縦断形の変化や床止め等の横断工作物の採用は極力避けること。
- 横断計画については、河川が有している自然の復元力を活用するため、標準横断形による上下流一律の画一的形状での整備は避け、川幅をできるだけ広く確保するよう努めること
- 護岸については、水理特性、背後地の地形・地質、土地利用などを十分踏まえた上で、必要最小限の設置区間とし、生物の生息・生育・繁殖環境と多様な河川景観の保全・創出に配慮した適切な工法とすること。
- 本川と支川又は水路との合流部分については、水面や河床の連続性を確保するよう努めること。落差工を設置せざるを得ない場合には、水生生物の自由な移動を確保するための工夫を行うこと。
- 河川管理用通路の設置については、山付き部や河畔林が連続する区間等の良好な自然環境を保全するとともに、川との横断方向の連続性が保全されるよう、平面計画に柔軟性を持たせる等の工夫を行うこと。
- 堰・水門・樋門等の人工構造物の設置については、地域の歴史・文化、周辺景観との調和に配慮した配置・設計を行うこと。
- 瀬と淵、ワンド、河畔林等の現存する良好な環境資源をできるだけ保全すること。
- 調査研究の推進
「多自然川づくり」にあっては、調査、計画、設計、施工、維持管理の各段階における技術の向上や手法の確立等が必要とされることから、河川管理者等は実際の「多自然川づくり」の取組等を通じて、それらの調査研究にも努めること。
- 広報活動の推進
河川管理者は、地域住民や川づくりに関わる者への啓発のため「多自然川づくり」の広報活動に努めること。
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